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車輪-The Wheel

車輪と壁 フーミンの物語
この記事は約4分で読めます。

私は主人の荷物持ちだ。奴隷と呼ばれ売り買いされる人身売買が行われている時代の中。今の日課と言えば運搬を手伝う事。道具や装備として与えられてるものは何もないに等しいかも。ほとんど体1つで仕事をしている。歩く足がついているから荷馬車に乗り切れない分が私の担当。役職名を与えられ担当する分野も私専用。こんなに誇りに思える事、今まであったかな。今はただ、立派に勤め上げたい。ご主人様、どうか貴方だけは冷酷と呼ばれても、そのままでいて欲しい。私は今、生きる活力を与えられているんです。どうか貴方だけは、傷つかない冷たい心の持ち主であって欲しい。

荷馬車模型

雨の日も風の日も荷物を持てば行き先が分かる。
どこから来たのか分からない私にもゴールが見える。

土の上、田舎道を進んでいた。
私は裸足、でも大丈夫。
背中には大きな荷物を持っているから、やる事はある。

石の上、街路を歩いた。
足が冷たい、でも大丈夫。
あと少しで荷物を降ろせるから、貴方の隣に座れる。

帰り道。

「車輪」が壊れたと主人が言っていた。
私には名前がないけど、貴方には名前がある。

貴方を見ていたら、足りないものが分かった気がする。
役に立てない事の悲しさ、私には立派な足が2つあるから。
それと私には「名前」がなかった。

悲しさを交換しましょう。
私は、貴方しか感じる事の出来ない悲しさが欲しい。
いつの事だかは忘れたけど、馬小屋から見える、星にお願いした事だから。
友達が欲しいっていうのは。

ミニ家白

いつもは行かない馬小屋に主人は歩いた。
どうやら人間がいる馬小屋らしい。
入り口が狭くて私の家が入らない。
デカすぎる事も困ったものだ。
ただデカいって事も罪なのよね。
青空天井の家でしばし待つ。

どれくらい車輪の話をしているのだろうか。
車輪は元通りに直るのだろうか。
それとも新しい車輪に替えられるのだろうか。
そして車輪は何処へ行く。
新しい車輪との生活は始まったばかりだ。

なんだか楽しみ。

今夜は宿に泊まる事になった。いつもと違って家ではなく、ベッドで寝た。
どうしてこんなに柔らかいのだろうか。主人の近くは温かい。
分からないけど、また目から水が流れる。

木漏れ日葉っぱ

前にもあった事を思い出した、同じだ。
大きな樹の下で寝てたのに、貴方が私にリンゴをくれた時と同じ。
目の前が眩しくて、もうすぐで全てが白く消えそうな時だった。
そのリンゴが赤かったのかどうかは、記憶にない。
無意識に、ほおばったんだと思う。
次に目の前がハッキリと、ピントが合った時には、貴方が立っていたの。

アンティークブーツ

今日も同じ気持ち。
この気持ちと出逢うのは、多くはなかった。久しぶりの貴方に約束する。私の喜びは貴方と、一緒に眠る時。

そうする。

何回か太陽が昇って沈んだ。
貴方にとっては、何回か分の今日1日だったかもしれない。明日はなくても、このままで。ここが貴方と私の憩いの家。

起きたら貴方はいなかった。またいつもと同じような朝で、いつからの続きだろうかと思う。車輪が壊れて帰れなくなって、宿代を払うという赤字からの続き。そこからのスタートになる。また貴方と出逢う時を探すかのように。

「暇じゃないんです。」
思わず声に出しそうになった。
今のを言えば良かったのか、それが分かっていない。

私は名前が欲しかった。その合言葉があれば、一言を発する意味がある気がしてる。私に「言え。」と勅命が下るように後押しされるような合言葉。

「貴方のお名前は?」って聞こえる。
この馬小屋の住人は、お掃除をする人のようだ。
どういう声をしているのが私なのか、合言葉を言えば分かるよ。
そう、心の中でつぶやいた。

馬車の音がする。すぐ分かる。あの人。また、あの声。

「おい、早く乗れ、リンゴ。」

リンゴって言うな。果物だろ。」

また怒ってるような私で1日が始まる。
でも、いいの。

貴方が好きだから。


“嬉しいと涙する、貴方を目にすれば美しき心だと、また涙”

貴方が喜ぶ笑顔を嬉しく思い、
代わりに涙する貴方がいる事を嬉しく思い、
楽しさを分けてくれる貴方を嬉しく思う。

いじけて下を向けば怒ってくれた貴方も、
傍にいてくれた貴方も。

嬉しき想いが投げた銀のコイン。
返せば誰かの「優しさ」と表裏。

リンゴを与えた優しき心が彼女の喜びとなり、
嬉しさを想えば、また全てが「優しさ」として返る。

リンゴに届いた車輪は、
時が経とうとも色褪せない歯車。
見つけた者には眠れる獅子の懐での休息を。


リンゴの車輪を我に投げかける時あらば、
目覚めの言葉が貴方に力を与える。

以下同文
“微笑ましい行動こそが見る者を動かす。
桜されど満開だと言う、美しき二つには誰もが絶句”

人力車に、
車輪が壊れるまで乗れないかな。

こんなに活字を読んだ事、生まれて一度もないって。

これからを考えよう。

水とか箱買いできる。違う気がするけど文明の利器。
沈黙が心地よいほど器量がある男のステータス帖。
料理に一味違った化学式を。

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