スポンサーリンク

Episode.07 人生の途中で腰掛けた街

ひまわりと少女 徒然おばさんのひとり言
この記事は約2分で読めます。

時々、東京へ遊びに行きます。飛行機はシルバー割で空席があるときしか乗れませんが、息子の家に泊まるのでホテルも要らないので、観光の場所もあまり決めずに、気が向いた所を一人でウロウロします。いわゆるオノボリサンです。道に迷ったり、駅の乗換えがわからなくなったら、お巡りさんや駅員さんに聞きます。特に方言も気にしません。どうせ田舎のオバサンですから、格好つけても仕方ありません。

若い人たちはスマホです。みんなスマホの地図を見ながら歩いています。誰ともしゃべらず、まわりの景色も見ずに目的地に着きます。つまんないでしょうね、あ、急いでいるのかも。

街並み水彩

暇なおばさんはキョロキョロと何屋さんかわからない店先を覗いたり、迷い込んだ路地裏でおいしそうな総菜屋さんや花屋さんを見つけて、ほっとします。下町に行くと、田舎とたいして変わりません。野菜の値段も同じくらいだし、ママたちは自転車の後ろに子供を乗せて忙しく移動しています。祭りの時期は家族連れが楽しく屋台を巡り、公園にシートを敷き和んでいます。大都会であることを忘れてしまいます。

先日、寄席に行きました。浅草に2軒並んでいます。主に古典落語をやっている浅草演芸ホールは有名な師匠も名を連ねていて、連休のせいもあってか、すでに満席でした。立ち見ならいいといわれましたが、3~4時間も立っていられません。隣の東洋軒の列に並びました。

「みなさま 本日はこんなにもたくさんお越しいただき、ほんとうにありがとうございます。」開口一番、最初の師匠が言いました。わりと前の席にゆっくり座り、弁当を食べ、後ろを振り返ると、どうやら満席に近い状態でした。

「隣に入れなくてうちに来たんでしょう?誰も知ってる芸人いないなんて思ってるでしょう?でも隣はTVに出る人たちですから、TVを点けたら見られます。うちはTVに出ない者ばかりですから、ここに来ないと見られないんですよ。」

なるほど言えてる。みんなクスクス笑います。自分や相方の欠点、家族のダメさをネタにするのが多いですね。人間てずるくて残酷な生き物です。自分より少しでも劣っていると思える人の話を聞いて満足します。私も1年のうちのこの数時間、優越感に浸ってちょっとだけ幸せな気分です。

コメント