「マスター、いつもので。」

そういうバーのシーンを想像すると、かっこいい自分と、良い女が惚れてくるイメージでワクワクが止まらない。実際にそうなるんじゃないかって期待できるよね。そうなるんじゃないかと何度かは、紳士な振りをしてバーに行った事がある。何度かは台詞を使った事がある。常連でもない初めてのお店に入って「マスター、いつものある?」とか、ちょっと変化つけて。決まって1適も酒を飲んでないのに「ごめん、酔ってるみたいだ」なんて言い訳をする。初めて行くバーでも台詞を使う事ができる裏技だ。

琥珀色のカクテル

ここで不思議な事があって、バーテンダーは「お客さん、今日が初めてですよね」って、言わないんですよね。「何になさいますか?」って、普通の接客をしてくれるんです。その接客というのは普通の事なんですけど、含まれている中の部分での会話がスマートで、こいつ只者ではないなってピンとくる。しばらく様子を伺うために、沈黙を楽しんでいる風に装ってしまう。そしたらバーテンダーは、シェイカーを振ってグラスにカクテルを注ぎ、マドラーでひとかき。氷の当たる音が響くのを「聞かされたんじゃないか」って気になってしまう。そんな姿を見せつけるために沈黙させられていたとしても、不思議はない状況下にいる訳で、こいつ只者ではないなってピンとくる。

素敵に酔わせてくれるのは、バーテンダーの方かもしれない。

いつかやりたいと思っているのは、カウンターでマスターが、グラスを勢いよく滑らせて片手で掴むやつ。何でこういうアクションが生まれているのかが謎。やっていい事なのか、なかなかやれない事なのか、やったらとんでもない事のような気もする。 バーの始まりや歴史が詳しく分かれば、どういう定義のもとに位置づけられるかは分かるのに。そう言いながら何度か練習した。

本番はいつやるの?

考えるから、ちょっと待って。
待ちきれないから、すぐにプレイ。
おうちで、できるもん。

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1件のコメント

  1. 実際にはいつやるんだろうっていう、いつまでも雰囲気のままで終わっている事がある。聞いてみるとムードを味わうだけという。何も形にならなくてもいい、何も形にならないままでいい、何も生まないけど、それでいいんだっていう究極の無駄とも言える。それが「ムード」なんだと思う。くだらなさ過ぎて、大体一晩で終わる。

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